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早稲田大学大学院の拡充(2)「他校との提携と共同大学院」

早稲田大学大学院の拡充(2)「他校との提携と共同大学院」  世界の経済も文化も社会もかつてない規模とスピードでグローバル化しています。そうした強力なグローバリゼーションのなか、自国が国際競争力を高めて国際社会で存在感と影響力を維持するためには、挙国一致の強力な教育政策のもと、世界標準の有能な人材をどんどん海外に送り込むことが必要となっていますが、昔も今もこれからも、その中心的な役割を担うのが大学などの高等教育機関です。

しかし、少子高齢化に伴う若年層の減少が大学全入時代をもたらし、大学によっては、学生が思うように集まらずに定員割れ、他大学との合併や改編、閉学に追い込まれるところが今後多く出てくると予想されます。それは、日本の私学の雄たる早稲田大学とて例外ではありえません。グローバリゼーションの波に揉まれる日本の大学の多くが、次世代の大学として生き残るための試行錯誤を繰り返しており、学内組織の大胆な改編や教育・研究体制の大幅な見直しだけでなく、他大学との提携強化に乗り出す大学も出てきています。

大学同士が連携すれば、互いの機能を補完し合うシナジー効果が期待できます。設立以来、他大学とのつながりも重視してきた早稲田大学ですが、2000年代になると、その傾向がいっそう強まります。たとえば、2001年からは、東京女子医科大学、武蔵野美術大学との間でそれぞれ学術交流を開始し、2008年には、東京大学、慶應義塾大学、京都大学、立命館大学と共同で、グローバル化に伴う日米2国間の諸問題を検証する「日米研究インスティテュート」を米国ワシントンD.C.に開設しています。
早稲田大学大学院の拡充(2)「他校との提携と共同大学院」 そして、2010年になると、複数の有力他大学と共同で3つの共同大学院(共同先端生命医科学専攻、共同原子力専攻、共同先進健康科学専攻)を相次いで開設します。そのいずれも理系の大学と共同で運営される大学院であり、早稲田大学のほうでは、理工学術院が運営の主体となっています。

3つの共同大学院のうち、共同先端生命医科学専攻は、1970年代から理工学と医学を融合した学際研究を共同で行ってきた東京女子医科大学と共同で開設した大学院です。新しい医薬品・医療機器の開発と実用化などに関する学際分野「医療レギュラトリーサイエンス」を研究することで、医療技術と医療環境の発展に資する人材の養成を使命としています。修了者には、両大学連名で生命医科学博士の称号が授与されます。

ところで、2011年3月から今なお続く福島第一原子力発電所の大規模な事故が収束する目途は依然立っていませんが、奇しくもその前年に東京都市大学と共同で開設した共同原子力専攻は文字通り、原子力産業の安全に欠かせない高度な専門技術教育と研究を担っています。

さらに、東京農工大学との間では、共同先進健康科学専攻を開設しています。理工学と農学を融合した学際教育を通じ、食品、製薬、環境といったバイオ関連の分野で活躍できる人材の養成を目指しています。

天然資源に乏しい日本が高度にグローバル化した世界で国力を維持していくためには、「学問系統の垣根を越えた学際的かつ多彩な発想」と「国際標準にふさわしい高度な研究開発能力」を兼ね備えた国際感覚あふれる人材を理系の各分野で輩出する大学の存在がきわめて重要です。共同大学院という新しい形で他の有力大学と理系教育の底上げに乗り出した早稲田大学が次世代の日本の未来に果たす役割は大きいと言えるでしょう。

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